「ごめん。話を聞いてなかったわけじゃないんだ。
ただ、その・・・。
ルシルが元気になったのが嬉しくて。君があんまり楽しそうだから、君の顔に見とれてたんだ。
俺、ルシルのことが好きだから」
ルシルはしばらくそのまま考えるようにしていたけど、
ゆっくりと顔を俺のほうに戻してくれた。
その顔は、茹蛸みたいに真っ赤になっていて。
ルシルってば、わかりやすすぎ!
俺は、またしても、ぷっと吹き出してしまった。
もうっ!なんていいながら、ルシルが俺をうるんだ瞳で見上げる。
だってね、何をしてもルシルがいとしくて仕方ないんだ。
「君のせいだからね」
「えっ?」
「俺が狼になるのは、君のせい」