「きゃぁ。」



何が起こったって

私にも分からない。


「助け・・っん。」


口を押さえられて

しゃべる事も動く事も出来ない。



もしかして誘拐?


私どうされちゃうの?



怖くて涙が出てきた。



『泣くなよ。』



「えっ、

・・・会長?



何でここに?」


『お前がちょっと心配で。』


ちょっとは余計だと・・・。



「でもなんで心配なんですか?」



『あの変態野郎に何かされないか・・・。』


だんだん声が小さくなって

最後のほうは聞こえない。



「じゃああの後輩の子はどうしたんですか?」



『先に帰って貰った。

あの子は色々あって一緒に来ただけで

彼女じゃないから。』



「菫ーーーー。

菫何処?俺の可愛い菫ちゃん。」


疾風だ。

もぉ恥ずかしい。


「ちょっとはや・ん・・・・・。」


また口を押さえられた。


『だまっっとけ。』


「でも疾風が。。。」


『お前あいつと付き合ってんの?』



「えっえーと。」


どう言えば・・・。

なんか疾風に誤解されてて。


『そっか、付き合ってるんだ。』


そう解釈しちゃった?


『じゃ行けよ。』



会長に背中を押されて

疾風のいる場所に転がった。