「ほんとにいいんですか?


抜け出しても。」




『いいんだよ。


お前走るの遅い。』



「だってこのドレス走りにくいし

ここ砂利道だもん。」



『ここまだ俺の家の庭だから

見つかったらヤバイんだよ。』




「そんなに早く走れません。」







ズキっ。                                    

痛っ。





『大丈夫か?』



「大丈夫じゃない。

足ぐねった。」



『おぶってやるからちゃんと捕まっとけ。』



「うん。」                   



「きゃー菫ちゃんがいないわ・・・。

翼も。」


豪邸の中から悲鳴が。


「きっと駆け落ちしたんだわ。
最近の若い子はやることが大胆ね。」




『やべぇ。』