雨の音がして、肌寒くて
俺は目を開けた。
「渉?」
「颯人……」
颯人が心配そうに俺を見た。
「渉、行かなくていいの?」
んなこと言われたら、行かなきゃって思うけど
「……無理だろ」
今の俺にはまだ、早かったのかもしれない。
焦って焦って、
「お前言ったよな」
ひどく冷めた声は
「一番最初に好きって言うって」
颯人の口から。
「確かにあん時お前頷いたよな」
「約束破んのか」
「一番じゃないなら二番」
「二番で言ってこい」
「お前男だろ」
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