「靖くーん!!!」



声の持ち主は同じクラスの夕美だった。



夕美は早足で俺の横に並ぶ。




「お…はよっ!!今日…何か早…いね。」



息切れで途切れとぎれ話すから,アクセントが可笑しくて笑ってしまう。



「ぷ。大丈夫??」



夕美は深呼吸して息を整える。


「大丈夫。それより今日…テストあるよね…??」



「うん。…って!!忘れてた!!」



急いで英単語を覚える。


その横から夕美が覗いてきた。



「Cleanって良いよね。」



「何で??」


俺は夕美を見る暇が無いので,顔を見ずに質問した。



「何か…。過去の過ちを消してくれそうだから。」



「ふーん??分かんないけど,覚え易いよな。」



夕美は,たぶん笑っていた。