『結局新入部員少なかったね。見学者多かったから期待したのに…』


入部希望締め切りの今日、新入部員が4人しか入らなかったことに私はがっかり気分で唯と帰り道を歩いていた。


「でもさ、男子部員目当てに入部されるよりずっといいじゃん。私達はバスケ部なんですから」


唯がカリカリしながら話していると、後ろから私たちを呼ぶ声が聞こえた。

「おーい」


「何よ」


「何、怒ってるんだ」


「あんた達のことでよ。きゃー峻太先輩かっこいい。海斗先輩ステキって何?バスケを見に来てよね」


「なんだ、俺達にやきもちやいてるってわけだ」


膨らんだ唯のほっぺを人差し指でつつきながら海斗が言った。


「違うわよ」


唯の怒り顔に3人で笑った。


「でもさ、これでバスケの面白さがみんなに分かってもらえればうれしいよな」


峻太の一言にみんなが息を飲んだ。


「峻太、今のかっこよすぎるよ」


唯が言った。


ほんとかっこよすぎるよ。でも、私の知らない峻太になっていってしまいそうでさみしさも感じるよ。