「なんだか今年見学者多くない?」

唯がドリブルしながら話しかけてきた。


確かに体育館の入り口にはたくさんの1年生がいた。


『でも、部員が増えるのはうれしい事だよね』


私が答えると、ボールをパスしながら唯が言った。


「バスケが目的じゃないみたいだよ」


『…?…』


じゃ何を見学に?やっぱり先生…


なんて思いながらシュートしょうとしたとき、ワーと歓声が上がった。


『何?どうしたの?』


隣のコートで峻太がシュートを決めたところだった。


「あの先輩かっこいいよね」


「私は海斗さんのほうがいいよ」


「峻太先輩って彼女いるのかなぁ」


いろいろ話す1年生達の声に圧倒されながら私達は練習をした。