あの人だ…


あの人が話している。


熱く語っている横顔がかっこいい。


思わず見とれていると、やばい…こっちを見た。


「この子も同じ中学?バスケやってたの?」


真っ赤な顔でこくりと私は頷いた。



「悪いな。俺さ、男子顧問で男子の部員しかチェックしていなかったんだ。名前は?」


『西村蒼衣です。』


「女子の顧問は石川先生だけど同じバスケ仲間だ。よろしくな。がんばろーぜ!」


私の頭をやさしくなでてくれた。


ヤバい…ドキドキして倒れそう…


「かわいい部員たちが増えて練習が楽しみだ」


そう言いながら教官室へと向かって廊下を歩いて行った。