二人でうす暗くなり始めた空を見つめた。

「じゃあな」


峻太が言った。


『バイバイ』


私が手を振ろうとしたその手をいきなり峻太がつかんだ。


『どうしたの、峻太』


「お前の手、ちっちぇな」


『峻太の手が大きいんだよ。バスケの大きいボールが小さく見えるもん』


「そうかなぁ」


峻太は笑いながら私の手を両手でギュッと包み込んだ。


『いたいよ。峻太…どうしたの?』


強く握られた痛さより、いつもの峻太じゃない気がしてそっちの方が不安だった。