「ありがとうございました」


朝練が終わり、体育館の端で汗をふきながら先生が言った。


「お前達、いい動きになってきたな」


そうっと、扉を閉めようとする私を峻太がみつけた。


「あれー、蒼衣。どうした?」


『…う、うん。ちょっと早く来ちゃったから、朝練してるかなぁって見に来てみたの』


「えー、じゃぁ、俺のシュート見てくれた?すげーだろ」


「俺だって芸術的なシュート打ったんだぜ。見た?」


『見たよ、二人ともすごいね』


「がんばってるからな」


二人の顔はとても輝いて見えた。


先生の笑顔はもっと輝いている。


私も朝一番に先生の顔が見られるなんて、早起きしてよかったと思った。