「俺達は宮本派一本だぜ。なぁ、海斗」


「何言ってんだよ。お前らに言われてもさぁ…」


出席簿で肩をポンポン叩きながら話す先生。


こんなしぐさも可愛いい。


「僕だって先生はあこがれの教師ですから」


教室に来た矢島先生が声をかけた。


「うれしいこと言ってくれるね、矢島先生。でも、今のでまた、ますますファンが増えるね。蒼衣、唯、競争率高いぞ。しょうがねぇから、俺はさ、お前らとゴリ軍団として地道
にやっていこうぜ」


「おう、どこまでも宮ゴリについてくぜ」


峻太、海斗、先生が円陣を組んで手を合わせている。


  …私もその仲間に入りたい…



…先生の手って特別に大きいわけじゃないのに、ボールが吸いついていくようになるんだよね。手をつないだら離れなかったりして…でもいいなぁ…温かそうだし…あぁ先生と手を重ねたいよぉ…



私の妄想は唯の声で現実に引き戻された。


「いつまでもふざけないでよね。HRの時間始まるよ」




「じゃあ、蒼衣さん、新クラスに行きますか」


『…はっ、はい』



私の…ピンク色の新学期は始った。