「奥さんか?知ってるぞ、何でもな。それにしても、若者たち、すごい想像力だな。でもな、これは、俺の大切な…大切なバスケのキスマークだ。結構できるぞ。ほら、足とかにも」


「なーんだ。特別って言うから」


「宮セン全然あわてねーもんな。この前、理科の河やんにカマかけたら本気で怒ってさ。あいつマジフリンとかじゃねー」

なんて言いたい放題のことを言っている生徒達。



「お前ら、本当にしょうがないな。まっ、俺には何言ってもいいけど、気を悪くする先生もいるってことをわからないとな。とにかく早く着換えろよ」



ドキドキを隠すつもりで他の生徒たちと一緒に体育館を出た。



部室に向かう後輩たちの会話はまだ続いた。



「でも、宮センは奥さんラブだからな」

「河やんのように疑いの目かけられることないもんな」

「だって、おととい結婚記念日って言ってウキウキしながら帰ってたもんな」

「だから、キスマーク♡なーんてからかってみたのに、あっさりかわされちゃうからな」

「でも、そこが宮センのいいところだよな」




今の何?私はその言葉に凍りつく思いがした。