「いやー、それにしてもいい試合だったよな。おいっ、お前らまだまだ練習たりねーからなっ。課題はつきねーな。ちゃんと着替えろ、汗ふけよ」


そう言いながら先生はTシャツを脱いだ。


「うわっ、宮本先生、それ、キスマーク?」


部員の一人が先生に言った。


「えー、どれ」とみんながふざけながら集まった。


「どれだぁ」なんて先生は余裕の表情で受け答えている。



…まさか…


ドキドキして先生の方を見ることができない。でも…


見えたのはやっぱり腕の所…の跡…



「愛されてるからなー、俺」


全身から冷たい汗が流れているような感じだった。


「すげー、奥さんとラブラブじゃん」



生徒達の冷やかしの声にも全然動じない様子で先生は証をやさしく手で擦りながらこう言った。


「でも、これは特別なキスマークなんだ」



…先生、なに言ってるの…



立っていられないほどドキドキが全身を駆け巡った。





「特別って意味深じゃん」


「どういうこと?まさか…奥さん以外ってこと」



「えー、奥さんは知ってるの」




みんなの言葉にも先生は笑いながら答えた。