峻太と歩いた道…

ガードレールを見るたび昨日の先生との出来事が思い出す。


信号待ちをしている間、向かい側にいる半袖のYシャツの人を見つめる。


先生との証…



思わず、唇に手を持っていってしまう。


先生は気づいたのだろうか…


私がつけた証を…


どうしようもない気持ちを引きずったまま大学に向かう。


クーラーのきいた涼しい教室。でも、私の頭の中はその日の講習なんか入らないほどだっ
た。それでもなんとかスケジュールをこなし帰宅した。



『はぁー』



混乱した気持ちを吐き出すように、大きなため息をついた時、峻太の笑顔が浮かんだ。



また、連絡するってあったけど…



ありがとうが言いたい。峻太の声が聞きたい。



自分の中の素直な思いが聞こえた。