『ねぇ峻太、峻太の手って大きいね…』
カップを持つ手をじっと見つめる。
「そうか?」
テーブルにマグカップを置き私の方に手を差し出す。
峻太の手を思わず自分の手と重ね合わせる。
『うん、それにねー、とっても温かいよ…。とっても…』
なんだか落ち着いた気持ちになれるよ。
「ゆっくり寝ろ。手、つないでてやるから…」
つないだ手から峻太の優しさが伝わり、硬く、冷たく、小さくなっていた私の心を溶かし
てくれるようだった。
優しい気持のまま、どんどん意識が遠のいていく。
心地よい場所。空気。時間。
幸せな気持ちってこんな感じなのかもしれない。
峻太が優しい眼差しで私を見ていてくれる。
そんな安心感を感じながら、いつのまにかそのまま眠ってしまった。