「お邪魔します…なんだか緊張するな」


峻太が爪先立ちで立っている様子に思わず笑ってしまう…


そんな私の様子に峻太は安心した表情になり、


「もう、大丈夫だな…」


と、いい大きく深呼吸をした。



「なぁ、蒼衣…」


峻太が静かに呼んだ。


今まで名前を何度も呼ばれたけれど、これほどドキっとしたことはあっただろうかという
位、慌ててしまう自分に驚いていた。



仁さんや、大学で付き合った人と何度も二人きりを過ごしているはずなのに…しかも峻太となのに…なんで、こんなにドキドキするんだろう…



きっとさっきの先生との気持ちが乱れているせいだ。きっと、そうだ…だって、さっき、なんであんなこと…



また、私の中で後悔とやりきれない思いが巡る…