pi・pi・pi・pi・pi…
『先生、携帯なってるよ』
携帯を取り出し見て、先生は言った。
「あー、電話じゃねー。さっき、アラームかけといたんだった」
私も、携帯を出して時間を確かめると10時ちょうどだった。
『アラーム?どうして…』
私の言葉を遮るかのように雨がポツポツと降り始めた。
「濡れるぞ、こっち」
先生は私の手を引き、もう閉店している喫茶店の軒下に入った。
「天気予報、はずれだな…」
真っ暗な空を見つめながら先生が呟いた。
ふいに、さっきの峻太の言葉が浮かんだ。「これから2次会あるんだけど、どうする?無
理しないで…」…無理しないで…
もしかしたら、帰りの時間をセット?