「おーい、蒼衣。ここ座って待ってようぜ」

ガードレールの上に腰掛けて手招きをしている。


「手放し、すげーだろ。出来るか?バランスが結構難しいんだぞ」


ドキドキしている私のことなんかお構いなしのように子どものようにふるまう先生。


『先生、完全に酔ってるね』


笑いながら言うと、


「あたりめ―じゃん。いい酒飲めたからなっ。さっきも言ったっしょ。お前らと会えてうれしいって。ホントだぞ。蒼衣、会えてうれしいんだからな。大切な…お前…らにさ…」


先生が私を見つめながら言った。



先生、これ以上見つめないで。私の名前を呼ばないで。うれしさを通り越して切なくなるから…



たまらなくなって、目をそらした時だった。



pi・pi・pi・pi・pi…