「宮ゴリのことでさ」
えっ、先生のこと。もしかして私の気持ちがばれちゃったとか。
峻太はいつも私が先生と話すのをみんなとは違う目線で見ている気がするし…どうしよう。
私がオロオロしているのがわかっちゃうかも…でも峻太の口からは意外な言葉が出てきた。
「宮ゴリさ、様子おかしいなぁって思ってさ。なんて言うか、元気なさそうっていうか、心ここにあらずっていうか。でも、俺の思い違いだったというくらいさっきの様子からだと…だからさ蒼衣と話して宮ゴリの気持ちが変わったのかなぁなんてな…」
『すごい、峻太も先生のことわかってたんだ』
「すごいって?やっぱ、宮ゴリ調子悪かったってこと?」
『うん、調子悪いっていうか、先生も悩んでいることがあったみたい。私も今日の先生を見て気になって、話してみたんだ…』
峻太は私を今まで見たこともない表情で見つめていた。