ピッ ピー ピー
ホイッスルがなり、先輩達はコートに崩れ落ちるように座り込んだ。
先生も硬く握った拳を振るわせ、頭をさげた。
ワンゴール差での惜敗。
峻太達もがっくりと肩をおとした。
静まり返ったベンチから、突然拍手の音が聞こえた。
先生が泣きながら拍手をしている。
相手チームと挨拶をする先輩達の顔は、やり遂げた充実感に満ち溢れているような笑顔と
涙が入り混じったとてもいい表情をしていた。
そんな表情をできるようにしたのも、先生の力。
「人生の中で大切なものが見つかるはず」そう言ってくれた先生。