『試合どうだった?』


「勝ったよ」


『よかったぁ。東高は強敵っていってたもんね。すごいよ』


「余裕の勝ちだね。なーんて、俺達練習してるもんな。あれで負けちゃ、なんのためにやってるんだか。もうすぐインターハイだしな…」


峻太の目は目標にむかってまっすぐに向かっている。


そうだよね…あんなに頑張ってるんだもんね。



『でも峻太達、強くなったよね』


「一番強くなってるのは精神面な気がする。宮ゴリのおかげだよな」


『…先生の…おかげ』


先生の話題はだめだよ。頭の中には大好きな先生のことでいっぱいになってしまう。


思わず峻太の背中に頭をコツンとつけてしまった。



「うんっ、どうした?」



『な、なんでもない。精神面も鍛えているってこと?』


必死になって会話をしようとする私。