「峻太、わかっただろ。お前の気持ちも同じだ。何に悩んで、何に苦しんでいるのか俺にはわからねぇけど、今のシュートを打った時の気持ち忘れるな。決まるも外すのもお前の気持ち次第だってことだ。無理だって決めてたら何にも出来ねえし、シュートも打ってみなくちゃな。自分を信じろよ」
そういって先生はシュートのポーズをとって胸を拳でポンポンと叩いて笑った。
「宮セン、俺…」
「まっ、言っただろ。いっぱい悩んで、迷えって。それがお前らの未来への一歩だって。
俺って、いいこと言うなぁ、熱血教師っぽくてかっこいいだろ」
「自分で言うなよ、宮セン。でも、かっこいいよ。ほんとに、悔しいけど、かっこいいよ」
峻太はそう言いながら肩を震わせていたように見えた。
「ほら、汗ふけ。風邪ひくぞ」
先生が投げたタオルで、峻太は顔を押え外の水道へむかっていった。
「おつかれー」
先生の声がシーンとなった体育館に響いた。