甘いもの…そう思ったときに仁さんからの言葉が浮かんできた。


「栄養学を勉強してみたら…?」


もともと、漠然と進学することだけを考えていた私。


何をしたいかもなければ、どこの大学に行きたいという強い希望もなかった。


理数系よりは文系。英語が少し得意と言うだけで…


やりたいこと…私の良さ…


「専門的なことを学んだらもっと、楽しくなるんじゃない」


なんだか力が本当にわいてきた気がした。

 



  ―先生、やってみたいことが見つかった気がします。
  少し、スピードあげて前を向いて走れそうです。  蒼衣
 


『先生、これ』



「おぅ、今日はなんだかうれしそうじゃん。読むのが楽しみだな」




先生と二人だけの秘密ができたようでうれしかった。