そんなある日
いつになく教室がざわついていた。
「何、なんかあったのか?」
オレは一番の親友、竜也に聞いてみた。
「美月!遥菜が転校すんだってよ!!」
竜也は興奮気味にまだ来ていない遥菜の席を指差して言った。
「……え…?」
「おっはよ〜ん」
竜也の言葉が信じられず、一人立ちすくんでいると
いつものように遥菜が登校して来た。
「はるっ…」
「遥菜、転校するってホント!?」
「嘘だよねぇ!?」
オレが話し掛ける間もなく
遥菜のまわりに女子が集まった。
「あ〜、ばれちゃってんのかぁ。
うーん…パパの仕事の都合でね。
地方に行っちゃうの」
「いつ!?」
聞いたのはオレだった。
あまりの大声にみんな、シーンとなったが
そんなことは関係なかった。
「…明後日だよ」
…ウソだろ。
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