「よし!トランプしよぉー♪」

そんな声が隣で響いた。

そしてその次に

その響く声はあたしに向けられる。


「桜ー。トランプ係だったよね?貸して?」

…憎い…。

何故虐めてるのに…

なんで虐めてるのに…

貸して?って呑気で言えるの?

なんで!

なんで!


辛い…苦しい…!

どうせなら、放っておいてほしい!


あたしは

自分で以前やっていたこと

なんて考えは浮かばなかった。

いや、それどころじゃなかった。


「ねーえ、桜ー」

「い、今出すから♪」


あたし、何語尾に音符とばしてんの。

意味分かんない…。


そう思いながら

バックの中からトランプを取りだした。


ちゃんと持ってきてる自分も

すごいよな。