「皆ー?運転手さんに挨拶忘れずにねー!」


あたしはそんな担任の声にさえ

イラッときて、睨む。


後ろで騒ぐ男子の声も

エンジンの音も…


全部、ウザい!

全部消えろ!!!


運転手にも挨拶はせずに

ダダダダッと一番後ろの席に着いた。


「あ、桜ァー」

「え…!?」

しかし憎んでいる人でも

そんな状況に声をかけられると

やっぱり嬉しいっていう、矛盾。


「窓側と通路側交換しない?」

「……うん…」


クスッと笑って

『ありがとー』

とあたしの元いた場所に座った。


何がありがとうよ!?

そう思いながらも

心の中でためておいた。


あぁーあ

あたしってば。