「あぁ、じゃあ女子は黒板書いてくださいね~」 「は~い」 絵里奈を置いて 事はどんどん進む。 「あ…あ…」 絵里奈は手を胸の前に組んで 必死に何かを伝えようとしている。 しかし耳を傾ける者はいない。 カツカツと五月蠅い教室の中で 黒板とチョークのかすり音が聞こえる。 その音が消えた後 先生は気づく。 「君塚さんは?」 「あ…」 女子の中で失笑がおこる。