「知ってたよ?女遊び激しいことなんて羽鳥の話し聞いてればわかるわよ。シイはウブだから、その手の話は刺激が強すぎだから言わなかったんじゃん?」
うっ………ウブって。
下駄箱に向かう廊下で、職員室から戻って来たはーちゃんに、あたしはさっきまでのことを全て話したのだ。
はーちゃんは更に続ける。
「ま、羽鳥はちゃんと好きな子いるみたいだし?」
「……じゃなんで女遊びなんて」
あっちがダメならこっち、みたいなことはあまりイイと思えなかった。
ましてや、好きな女の子に相手にされないからって。
恋愛初心者のあたしが言えることじゃないんだけど。
「羽鳥の女遊びには頷けないけど、ちょっと不器用なだけなのよ」
あたしはただコクンと相槌を打つ。
そして下駄箱へ続く曲がり角に差し掛かった時だった。