あたしが聞きたかったこと。


千秋はやっぱり……学校の王子様なわけで、容姿端麗な彼が女の子と付き合ったことがナイなんてことはあり得ないと思った。



でも誰の告白も受け入れない。

だからあたしなんかに、あんなことを言ったのは冗談か……それとも。

本人に聞けるハズもなく、あたしは戸惑ってばかりなのだ。



「そうじゃねぇの?フツーに考えて好きだからすんだろ?」

「……そうなの?」


羽鳥はうんうんと相槌を打った。


ダメだ。

もぉ……わからないよ。

しゅんっと肩を落とすあたしに、羽鳥はこう言った。



「キスもまだってことは、シイお前、処……」

「うあぁああああ!」


な……なんてこと言うのよ!



“処女”って言いたいんでしょ?

当たり前じゃない。

処女でなにが悪いのよぉ。