あたしは羽鳥から受け取った苺ミルクにストローを差して、一口飲む。
「あのね………」
千秋という名前は出さずに、あたしは胸の内を話すことにした。
羽鳥はあたしの前の自分の椅子に座って、こちらに身体を向ける。
プシュッ
羽鳥がコーラを空けるいい音が響いた。
そしてあたしはそっと口を開く。
「キスってどんな感じ?」
「ぶはぁっ………」
あまりにもストレートに聞いてしまったらしく、羽鳥はコーラを吹き出した。
あ。やっぱり直球だったかな?
「お前なぁ……」
「ご、ごめん」
羽鳥は手の甲で口を拭った。
なんて言ったらいいかわかんなくて、口から出た言葉がこんなことだったのだ。