「なぁ、警察呼ぼうぜ。お前ら、これじゃいつまでたっても家に帰れないぞ!」
気がつくと、陽は無くなり街灯の灯が目立ってきていた。
大悟の言葉を聞き、紘伽は急いで携帯電話を取り出す。
そして「119」とプッシュした。
「はい、こちら119番。火事ですか?救急ですか?」
呼び出し音もそこそこに男の人の声が流れる。
「えっと………あれ?事件なんですけど……」
紘伽は戸惑ったようにそう言った。
「あーそれは110番の間違いですね……」
電話の相手は冷静に紘伽の間違いを指摘した。
紘伽は「すみませんでした」と小さく謝って電話を切った。