外野の視線を一身に受けながら絋佳は、険悪な2人に近付く。


「あの~?どうなさったのですか?」


絋佳が一歩引いた姿勢でそう聞くと、年齢は50才に手が届きそうな中年のおじさんが困った顔で振り返った。



「いや、この人が道の真ん中から動いてくれないんだよ」



その台詞を聞いてもう一人のおじさんがどなる。

「どーも、こーもないだろう!お前がうるさい音なんか鳴らすからいけないんだろうが!!」



その怒鳴り声から、アルコールの臭いが同時にまき散らされた。



そして、その男の姿は見るからにボロボロでおせいじにも清潔とは言いがたかった。