『でも、お姉ちゃんが結婚して子どもが産まれた時、それが役に立たないことも沢山出て来るはず。その時に、きちんと打ち明けてくれるといいんだけど…』



紘伽は、その当時の記憶を呼び起こし、爽佳に伝えた。


「お母さんが言ってた時が、今なんだね」

「そうかもね。現場の子ども達はその時間だけだけど、自分の子育ては24時間だから辛いんだよね」



二人の姉妹は、母の強さと子どもを思う親の優しさを強く感じていた。



そして、目の前にいる互いを思いやった。


………ガタン!


物音がして振り向くと、そこには光一が立っていた。