「うん。周りからはよくそう言われるかもね……」


爽佳は、そう溜め息をつき続けた。



「実際、集団のなかにいる子どもと、個人で見る子どもとでは違うのよ……」


紘伽は、話を続ける爽佳を黙って見つめた。


「それが、親子ともなれば、また格段に変わってくるの……」



その言葉を受け、紘伽も少し考え込んでしまった。


児童心理学もしっかりと身につけ、他のお母さん達の悩み事にも適切にアドバイスが出来る姉。


その姉が、子育ての何かで苦しんでいるのだ。