「やっぱり、違うみたいね……」


お茶の入ったコップを両手で挟み、少し揺れる水面を見ながら、爽佳はポツリと呟いた。


自分の言った言葉が、宙に浮いてしまった紘伽は戸惑った。



「えっ……でも……お姉ちゃん、いつも子育て持論を話してくれるじゃない」


幼稚園教諭の資格を持ち、なおかつ現在、実際に小学校の教壇に立っている爽佳。



子どもの事なら、何でも知っている。紘伽はそう思っていた。