爽佳の気持ちは、段々と苛立ちに変わっていた。


「光一っ!おやつ片付けちゃうからね!!」


さっき寝たばかりの、長女・美鈴が驚いて起きない程度に声を張り上げる。



ビクッ。


光一は、遊んでいた手を止め、母親の顔をやっとみた。


『オカアサン、また怒ってる……』


そう感じた光一は、小さな声で返事をした。

「はーい……」



その声に、爽佳の怒りは増していった。