「まだ、免許を持てない若者や、運転しなくても良い大人にも、そう認識してもらいたいな……」


そうだなと、匡が頷く。


「車は、決して安いものじゃない。こいつを手に入れる為に、俺は頑張って働いてるんだ」


大悟は愛車を撫でた。


「傷付けられたところから、腐食するからな…」


匡が言った。


「今回は、良い勉強になったよ。俺は、きちんと、相手を考えて行動する」


「おっ、大悟くん。大人だねぇ〜〜」


匡が、ちゃかす。


「ただ兄!!」


「いや、ごめん。でも、誰もが大悟みたいに考えられたら、きっと………」


匡は、下を向いた。