大悟は、匡の部屋で思う存分に車の世界を堪能して、やっと靴を履いた。


「じゃぁな、ただ兄。また、色々と教えてくれよ」


スキップでもしそうな勢いで、外の愛車へと身体を向けた。


「うぃっす♪いい子で待ってたか?」


にこやかに近付いたその時、大悟の視界に見えたものは、黒光りするタイプMに走る、一筋の白い線だった。



「な、な、な………」


「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



大悟の悲痛な叫びが乎霊する。