「お前、調子いいなぁ〜」


匡に小突かれながら、愛車に鍵をかけ、自分が、どう走りたいかを熱く語りつつ、匡の家へと、なだれこんでいった。



独身で、実家に居る匡の部屋には、30才とは思えない位、車とそのフィギアに囲まれている。


「俺、ただ兄の部屋にいると落ち着くよ」


小さい冷蔵庫から出されたジュースを片手に、スカイラインの特集雑誌をあさりだす。


まさか、この楽しい時間の後に、あんなことが待っているとは、知らずに………