「今好きなひといてさー、相談のってよ」

期待はずれだったけれど、裕也との顔のみえないやり取りは、あたしに癒しを与えてくれた。

相談に乗ることが、楽しく思えていた。

そして裕也はただの友達として、接するようになった。


高1の冬。
あたしにはもうひとり、仲のいい男友達がいた。
同じクラスの大地。

なんでも話せて、馬鹿しあえる友達だ。

そんな大地に、親友の直子は惚れていた。

大地は友達としてはありだけれど、彼氏にはなぁ…心でそう思いながらも、直子の恋を実らすことにした。

「大ちゃんとふたりで会って、直子の事どう思うか探ってみて。お願い!」

「まぁ…大地見た目はチャラいけど、中身まじめだしわかったよ!」

「リオナありがとう!感謝します!」

「まかしてよ!」


軽率だった。

大地とふたりで会って、大地があたしを好きな事をしってしまった。

あたしには直子を裏切れない。
直子には真実を隠して、大地にはうまく断ってもらった。

大地と付き合うなんてことはあり得ない事で、大地とは友達関係を続けた。