「海、入りたかったな〜」

砂浜を歩きながら光さんが呟いた。

「じゃあ、入りなよ〜!」

あたしは光さんの腕を引っ張る。

「今の時期は嫌やわ」

「じゃあ何で入りたいって言うのよ〜!」

「何となく…」

あたしは空いている片手を額に当てた。



こんな会話するなんて…

年上に見えない…



「むっちゃん、今、子供っぽいとか思ったやろ?」

光さんはいきなりあたしの頬っぺたをつまんだ。

「…何するのよ〜!!」

光さんは笑いながら逃げる。

む…ムカつく!!

あたしは必死になって追い掛けた。