休憩もそこそこで。

あたし達は再び走り始める。



光さんはかなりペースを落としてあたしに合わせてくれていた。

嫌な顔、一つせず、何度もミラーを確認しながらあたしがちゃんと付いて来てるか、見ていた。

優しいな…

普通なら先に行って、適当な所で待ってそうなのに。



この後ろ姿。

見ていると何故か胸が苦しくなった。

目に焼き付けておこう…

だなんて。

そんな事をしなくても。

いつでもこうやってツーリングに行ける仲なのに。



胸が苦しくて、切なくて。

泣きそうなあたしがここにいる。