途中。

そこそこ早いライダーが光さんに勝負を吹っ掛けてきたけど…

光さんはフルブレーキをかけて先に行かせた。

危うく、後ろを走っていたあたしが追突しかけて冷や冷やしたけど。



「ごめんやで」

途中の道の駅で休憩した時に謝られた。

「公道ではあんなん、する気がないから…
アホらしい…」

こういう所、パパと同じ。

パパも勝負を吹っ掛けられても無視しろっていつも言う。

「あんなん、相手にしたらあかんで。
サーキットへ行けばいくらでも勝負せなあかん事、あるから」

あたしは頷く。



そう、あたし達は。

特に模範になるような運転をしなくてはいけない。