先生達が帰ると、ママはみんなにお茶を出した。



「堺先生がね、能勢先生、つまり奥さんの方にプロポーズする時」

ママはあたしの顔を見つめる。

「拓海くんと偶然その現場を見かけたの」



ママは懐かしそうに言った。



「拓海くん、いきなり先生達の前に行くからビックリしたなあ…」



またあたしの知らないママと拓海くんの話。

でも、そういうのを少しずつ。

パパやママ、祥太郎や光さんが教えてくれるようになって。

嬉しかったりする。



自分の存在が。

ちゃんと認められている気がするから。



パパといえばやっぱりあたしのパパは門真 総一しかいないんだけどルーツは柏原 拓海だから。

やはりそこにこだわってしまうな…



ましてや拓海くんに似てると言われたら…



嬉しくなる自分がいる。