「よくやった!」

ピットに帰ってくるとパパがあたしをおもいっきり抱きしめた。

「ありがとう…」

必死に走ったら。

ついてきた結果だった。



「あー!!」

あたしの隣で叫んだのは知樹。

「勝てると思ったのに!!」

最後に一瞬抜かれたのをあたしは運良くパスしてそのままチェッカーを受けた。

「お前、今の段階では十分」

祥太郎が知樹を抱きしめる。

「今の睦海には…なかなか勝てないかな」

祥太郎はチラッとあたしを見て微笑んだ。



「やるなあ〜」

光さんは握り拳を作る。

あたしも手をグーにして。

拳をコツン、と合わせた。