「出よう」

悠斗の目が鋭くなった。

そんな目…あたしは見たことがない。

あたし達は会計を済ませて、慌てて店を出た。



香奈にわからないように後ろに回り込む。

あたし達はちょうど香奈の真後ろにいる状態。



やがて

「お待たせ…」

低い声が聞こえた。



あたしは喉をゴクッ、と鳴らした。

変な緊張が走る。



二人の気配が消えたからそっと見てみると。

仲良く手を繋いで歩いてる。



「気付かれないように、行こう」

悠斗はあたしの手を握った。