お互いがお互いの能力を引き出している。

そういう風に見えた。



「昔…祥太郎が世界へ挑戦する1年前、この二人は1年だけこのチームで走ってたけど…
その時とは比べものにならないくらい、二人とも成長しているよ」

まだ、あの頃は二人とも若くて。

8耐にも出たけど。

下位だった。



今年はライダーとしての能力だけを見ると、十分、表彰台の一番高い位置を狙える。



光さんと本来ならエントリーするはずだった今年の8耐。

祥太郎の加入であたしは第三ライダーとなり、二人が万が一、怪我などで出られない時用の補欠になった。

去年がその第三ライダーがいなかったために出られなかったこのチームだから。



…これもまた、仕方ない。



けど、この二人は口を開かなくても、自分達のライディングで色々教えてくれる。