「祥太郎にしてみれば、真由は本当なら義理のお姉さんになるし、拓海がいたから遠慮していたけど、真由の事、好きだったと思うよ、昔」

懐かしそうにパパは笑った。

「いつも真由にレースを見て欲しいって言ってた。
とにかく真由に構って欲しくて、彼女…つまり梓ちゃんがいても真由に纏わり付いてた。
…真由がお前を妊娠した時、祥太郎が18歳を越えていれば、お婿さん候補で真っ先に手を挙げたと思うね」



祥太郎…

そうだったんだ。



「些細な事でも、その人にとっては大切だったりするから…
祥太郎ももっと大人の対応をすればいいのに、真由やお前達が絡むと感情的になるね」



まだまだ子供だ、とパパは言った。