「ごめん、ごめん!」

サーキットで光さんと会った時、手を合わせて謝られた。

「門真さん、これ」

光さんはパパに紙袋を渡した。

「…本当にごめん」

パパが頭を下げると光さんは

「ええって、気にせんといて。
13年も世話になってるから、これくらいはしないと…」



あたしは怪しい動きをしている大人達を見つめた。

これぞまさしく疑いの目。



「…それ、何?」

あたしが言うと光さんは

「はいはい、むっちゃん、マシンのセッティングをしよな〜!」

と、あたしの腕を掴んで歩きはじめた。

「ち…ちょっと!光さん!!」

抗議めいた声を上げるけど光さんの凄い力には勝てずに…

連れて行かれた。