「いい機会だから…」

ユウナさんが口を開いた。

「私、近々、お店を辞めるの」



…今。

なんて。

おっしゃいました〜？



あたしは固まってしまった。



「グレン…、徹さんと付き合っている事が少しずつ他の常連さん達にバレてきていて。
店長もいい顔をしないから…」

「えー！」

あたしは不満を口にする。

「むっちゃん、こういう仕事は割とお客さんが夢を求めている事が多いから…
やっぱりこういうのは敬遠されてしまうの」

ユウナさんはあたしを見つめた。

「むっちゃんも…」

ユウナさんはチラッ、と光さんを見つめて

「気をつけてね。
まあ、彼氏さんは幸い常連さんじゃないし、大丈夫だと思うけど」